
心室中隔欠損症
心臓の心室中隔に穴があいていて血液が混じってしまう病気です。
病気の概略
心室中隔欠損症は、左右の心室の間にある「心室中隔」に穴があいている病気です。先天性心疾患のなかで、もっとも多い病気で、日本では先天性心疾患の約6割を占めるといわれています。穴が小さいものでは、自然閉鎖するものもあります。穴の大きさが大きく、心臓や肺に負担のかかるものは、一般的に手術となります。肺への負担が大きい場合、時間がたつと「肺高血圧」といって、肺の血管が痛んだ状態になり、場合によっては手術ができないようになることもあります。
また、穴の場所によっては、大動脈弁の変形や、閉鎖不全をおこすこともあり、血液の漏れの量にかかわらず、手術になることもあります。
血液の循環
酸素をもらった血液は、心室中隔欠損を通って左室から右室へ向かいます。通常、全身へ回る血液と全身から戻ってくる血液は2つですが、心室中隔欠損がある場合、左室から右室を通って肺を回る血液は、穴を通ったの血液も含まれるため3つになります。そのため、肺へ向かう血液の量が多くなり、肺と心臓両方に負担がかかることとなります。
治療
穴の大きさが大きい場合や、心不全が強い場合には手術が選択されます。手術は人工心肺を用いておこない、「パッチ」と呼ばれる人工のあて布を左右の心室の間にあてて、穴をふさぐという手術を行います。穴をふさいだ後は、まわりの筋肉が成長するので患者さんが成長してもパッチの取替えをする必要はありません。内科的治療としては、ジゴキシンなどの強心剤、ラシックス、アルダクトンという利尿剤が使われることが一般的です。
治療経過
閉鎖術施行後は通常の子供と同等の発育発達が見込まれます。手術前に来していた心室の拡大はすぐには正常にはなりませんが、肺と体の血流比は術直後から1:1に正常化します。心拡大も成長とともに正常化してゆきます。手術の後は人工心肺を使用した影響による体のむくみを取るために数日ないし数週間、利尿剤を用います。手術直後は、人工心肺の影響などから一時的に肺高血圧の増悪を来す場合もあり注意が必要ですが、多くの場合、術後早期から肺動脈圧も正常近くに復します。肺高血圧の残存や不整脈などで何らかの内科的治療の継続が必要となる場合もあります。
- [1]環状グアノシン一リン酸
- [2]ホスホジエステラーゼ
- [3]心室中隔欠損症
- [4]動脈管開存症
- [5]ニトログリセリン